サマルトリア王国、第一王子。
邪教の大神官ハーゴンと破壊神シドーを倒し世界を救った、3人の救国の英雄が一人。
それが、帰国した彼に対する世間一般の認識だ。
だが彼には、普通の人々が、いや、共に旅をした2人の仲間と肉親以外には誰も知らない、隠された本当の姿がある。
サマルトリア王家。
ローレシア・ムーンブルクの二王家と共に、遠き西の大陸――アレフガルドにて竜王を倒し常闇より世界を救った、ロトの血を引く偉大なる勇者の子孫が興した三王家の一つ。
しかし、他の二王家と一線を画す特徴が、かの一族には備わっていた。
すなわち、両性具有。
祖を同じくする三王家でも、かの勇者より伝えられ、磨かれてきた技術には差があった。
つまり、東のローレシア王家は剣術に優れる代わりに魔術の素養がなく、南のムーンブルク王家は魔術の素養に優れている代わりに魔物と戦うには肉体的に脆弱なのである。
それらに対し、サマルトリア王家は魔術でローレシア王家を凌ぎ、武術においてはムーンブルク王家を超える魔法戦士である。その代償なのか、サマルトリア王家の血族に現れたのが、両性具有という忌まわしき特徴であった。
そして、救世の勇者と称えられるかの王子とて、その例外ではなかったのだ。
ただ、彼(彼女?)は現国王の第一子として生まれたために、王子として育てられた。そのために世間では王子として認知されているが、男性器と女性器とを両方備えている事実は変えようがない。
東の空から昇った月が窓から淡い光を投げかけ、サマルトリア第一王子の姿を照らし出している。
金髪碧眼――血筋なのか、彼の妹も同じ髪と目の色をしている――を月の明かりが仄かに染めあげ、幻想的な美しさを演出している。
彼のトレードマークであるゴーグルは頭に着けられたままだが、服装は僧服を模した普段の物とは違っていた。透き通った湖面のような青い色をした、女性用のドレスを着ているのだ。
―――水の羽衣
雨露の糸と呼ばれる、常に水気を帯びた特殊な糸を織って作られた魔法のドレスである。本来は、その魔力で高熱や火炎を防ぐための武具の一種として用いられる。
その女性用の服を身に纏って、彼は今、ある男の視線の前に曝されていた。
その男とは、ローレシア第一王子。邪教討伐の旅の際、苦楽を共にしたかけがえのない仲間の一人であり、パーティーのリーダーだった少年である。
黒髪黒目、3人のうち唯一魔法を使わずにあの激戦を潜り抜けただけあって、無駄なく鍛え上げられた肉体は一種の芸術作品の様に整っている。その逞しい体に似合わず、顔は童顔といっても良いぐらいの穏やかな表情をしている。
此処は、ローレシア第一王子の私室。その奥に用意されている彼の寝室である。
三王家の今後の方針の相談と、旅の思い出話に花を咲かせるという名目の下、金髪の少年は独り戦友の部屋を訪ねて来たのである。
寝台に座ったまま黒瞳の少年は、目の前に佇む夜中の訪問者の姿を仔細に眺めている。その表情を、その胸元を、その内股の蔭りを、そして、その股間の一物を。
水の羽衣は、装着者の意思と魔力に応じてその色彩を変える。今は持ち主の意思(正確には黒瞳の少年の意向)を受けて、普段の深い青色から、それこそ水のように透明度を増していた。
つまり、本来ならば服によって隠されるべき体の様々な部分が、今は丸見えなのである。手などを使って隠すことは、許されていない。
水の羽衣の下には何も身に付けていない金髪の少年の体は、ペニスが雄々しくそそり立ち、ヴァギナは愛液を垂らして濡れそぼっている。
「も、もう、十分見ただろう?・・・・・・すごく恥ずかしいんだぞ、これ・・・。」
そう寝台の主に問い掛けても、返事はない。ただ、じっと彼を見つめ続けているのみである。
その視線だけで体の奥が熱く疼き、益々ペニスがいきり立ち、愛液が更に溢れ出す。
「頼むから、もう元に戻してもいいだろ?・・・・・・ボクのこんな体を眺めていても、面白くないだろうし・・・。」
そう呟いた時、それまでじっと眺めるだけで何の行動も示さなかった黒髪の少年が、突如その場に立ち上がり服を脱ぎ始めた。
「・・・お、おい?・・・・・・っ!!・・・ああぁぁっ♥」
全裸になった彼の股間は、ギンギンに猛っていた。
「そ、それって、・・・・・・ボ、ボクの裸を見たからなのか?」
彼の恐る恐るといった風に尋ねる言葉に対し、黙ってうなずく黒髪の少年。
その迷いのない黒い瞳に、彼の胸の奥が熱くなった。同時に、乳首が反応して固く勃起する。
普段はさらしを巻き、更に幻覚魔法を付与した宝珠を身に着ける事で周囲をごまかしているが、彼の乳房はふくよかなのだ。いや、かなり大きいといってもいい。
その大きな胸の先端の反応を、ほとんど透けているこのドレスでは隠しようがない。そのことに気付いて、顔を紅潮させる。
ぎゅうっ。
恥ずかしさから下を向いた金髪の少年を、逞しい腕が抱きしめた。
「あっ。」
そのまま何も言わずに顔を上向かせ、強引に唇を奪う。
「んぐぅっ、んむっ、んんっ、じゅるるるぅぅっ、ぷはぁっ・・・・・・。」
何度賛辞の言葉を囁いても、何回その美しさを褒め称えても、普通ではない自分の体に自信を持つことが出来ない、少年であり少女である恋人には、もはや言葉は意味をなさない。
ならば、何も口に出さず、ただひたすら彼を抱きしめ愛するのみ。
その熱い想いが、真っ直ぐに自分を見つめる黒い瞳から感じ取れ、少年の欲望の証が更に硬さを増し、少女の愛の証がなおいっそう潤う。
下腹の奥で熾き火の様に疼く熱さに促されるまま、青い瞳の少年はその場に跪き、愛しき人の欲棒を見つめる。
(ふふっ、凄く大きくて固い・・・・・・。絶対ボクのより、ふた回りは大きいや・・・♥)
思わずそんな考えが脳裏に浮かぶ。実際、旅の間に飽きるほど見たし、死闘から無事帰った後も、暇を見付けてはこうしてお世話になっている。
それでも、見るたびにより逞しくなっている、と感じるのは気のせいだろうか?
(・・・・・・あっ、すっごく熱い・・・♥ボ、ボク、もう見ているだけで・・・・・・、ああぁっ♥)
じっと見つめつつも、無意識に右手はその欲棒を握り締めていた。残る左手は、熱く濡れた陰唇へと伸びる。
じゅぶっ。
我慢できず、一心不乱にその逞しいペニスを口に咥える。
口に亀頭を含み、陰嚢を啄ばみ、竿を唇でなぞり、裏筋を舐めあげ、喉の奥まで男根を呑み込む。
その間中、左手で自分の陰唇を愛撫することも忘れない。
ふと、口に咥えたペニスに、微かに変化が生じた。彼は愛しい人のその兆しを見逃さない。
「ぷはぁっ・・・・・・。ねえ・・・、出そうなの?ビュクビュクッ、て射精しそうなの?」
快感によって全身に汗を浮かべたまま、黒髪の少年が頷く。
その反応を自分がもたらしているんだ、と言う満足感が更に彼の快感を高める。そして陰唇を貪っていた左手を、それまで全く手付かずだった自分のペニスに添えて、一心にしごき始めた。
「いいよっ、そのまま出してっ!!ボクも射精するから、キミも一緒にぃぃぃ!濃くって熱い精液ぃぃ、ボクの顔にかけてぇぇっ、ボクに飲ませてぇぇぇっっ!!」
ドクッ、ドクドクッッ・・・・・・。
恋人達は同時に絶頂に達し、望み通り二人一緒に射精した。
黒髪の少年の白濁液が、月明りに透けるような金髪を白く染めあげる。
「・・・・・・ああぁぁっ。・・・・・・熱いぃぃ♥」
それだけでは飽き足らず、恍惚とした恋人の顔をも白く白く染めあげた。
その彼の左手は未だに自身の肉棒をしごいており、尿道に残った精液をびゅくっびゅくっ、と吐き出させていた。
そうしてひと息ついた時、ふと、少年が寝台の枕もとに用意されていた小箱の中から、腕輪らしきリングを取り出した。
「・・・・・・それは?」
そう尋ねても、黒髪の少年は微笑むだけで答えてくれない。
そのまま、彼の手が恋人の乳房を揉み始める。同時に、出したばかりで多少元気を失っていた、金髪の少年のペニスが再び反りかえる。
と、黒髪の少年がそのペニスに、先ほど取り出した腕輪を嵌めた。
「えっ?」
同時にリングが縮み、ペニスの根元を締め付ける。
「あっ?あああっ!!?」
痛みはない、それどころか、更にペニスの感度が高まったように感じる。実際、今にも欲望が爆発しそうだ。
そこへ、黒髪の少年が乳首をカリッ、と噛んだ。
「で、出るうぅぅっっっ!!?」
ヴァギナの方は、その刺激で潮を吹いた。しかしペニスの方は、嵌められたリングに締め付けられて射精できない。
「な、なんでぇ!?・・・しゃ、射精したいよぉぉっ!ビュクビュクッ、って精子出したいぃぃっっ!!」
強制的に射精を禁じられ、気も狂わんばかりに泣き叫ぶ。
先ほど黒髪の少年が恋人のペニスに嵌めたリングは、俗に『節精リング』と呼ばれる物である。
魔術の効果を付与された道具は、何も武器や防具だけではない。あまり知られてはいないが、その類いの道具を作ることを生業にする者たちもいるのだ。
その者たちの手になるこの節精リングは、開錠呪文『アバカム』を付与された魔道リングなのである。
血流などを阻害する事無く射精のみを禁じ、所有者による『アバカム』というキーワードでのみ取り外すことが可能となる。その際、持ち主に魔力の有無は関係ない。
強いて分類するならば、拷問道具として開発された物である。・・・・・・使用用途は、想像にお任せする。
「だ、出させてぇぇっ!!お願いぃぃ、射精したいよおぉぉっっ!!」
執拗に体中の性感帯という性感帯を愛撫されるも、肝心のペニスから射精できない。それが出来ない、と分かると是が非でも射精がしたくなり、ますます気が狂いそうになる。
切羽詰った彼の耳元に、黒髪の少年がリングを外す条件を囁いた。
「・・・っ!?だっ、だめぇ。・・・・・・そ、それだけは、だめなのおぉぉっっ!!」
僅かに残った理性で交換条件を拒む。その条件とはすなわち『オレの子を孕め』
「ボ、ボクは王子なんだからぁぁ。それだけは、・・・だめ、なのぉぉっ!!」
快感に打ち震えながらも、必死に拒絶する。
本来、ハーゴンの侵攻により旅に出ることがなければ、彼(彼女)は女の悦びを知ることはなかったはずなのである。
王子と世間に認知されている彼が、妊娠しましたなどと言えるはずがない。
「だめっ、ぜったいだめぇぇっ。・・・・・・お、お願い、許してぇぇ。」
黒髪の少年の愛撫を振り払い、ベッドの端で自分の体を抱きしめ懇願する。
涙に頬を濡らす姿は、無理な条件を突き付けられたからというよりも、むしろ、その条件を受け入れてしまいそうな自分を必死に押さえ込んでいるように見えた。
泣き崩れる裸身を、黒髪の少年は背後から優しく抱きしめ、熱い口付けを交わす。そして唇と舌を絡めたまま金髪の少年の体を抱き上げ、大きな寝台の中央へと移動する。
そこでようやく口付けを止め、正面から彼の瞳を見つめたまま胡座をかくと、向かい合わせた姿勢のまま、自身の肉棒でいっきに恋人の肉穴を貫いた。
「ふぅあぁっっ!?おおぉぉああぁぁあぁぁああぁっっ!!」
口付けの快感で半ば意識を失っていたところに、さらに強烈なこの快感。
ここぞとばかりに射精しようと、ペニスがはちきれんばかりに脈動する。が、当然ながらリングに阻まれ、欲望が迸ることはない。
「いやっ、いやぁぁぁっっ!射精したいぃぃっ!!・・・・・・ち、ちんぽぉっ、か、からぁぁ、・・・・・・精液、どぷどぷ、って出したいのおおぉぉっっ!!」
理性と欲望の間で揺れる心。しかし、心の天秤がどちらか一方に傾く前に、肉穴に分け入って来た肉棒の動きが止まった。
蜜壺が物欲しげにぎゅうっ、と肉棒を締め付けるも、いっこうに動く気配がない。
「そっ、そんなぁっっ!?・・・ねぇ、動いてぇ、動いてよおぉっ。・・・・・・お願いぃぃ、せめてボクの女を満足させてえぇぇっっ!!」
黒髪の少年の首に腕を回し、口を啄ばみながら必死に懇願するが、彼は両手で勝手に動けないように腰を固定したまま、頑として望みを叶えようとはしなかった。
ぎゅっ、ぎゅうぅっ、と内壁でペニスを締め付け催促するが、全く耳を貸してくれない。
必死に懇願し涙を流す碧眼の少年の耳元に、再び黒瞳の少年が条件を囁く。・・・・・・すなわち、『オレの子を孕め』と。
その変わる事のない条件が、その一途な要求が、彼の最後の理性を溶かした。
「・・・・・・はっ、孕みますぅぅっ!!・・・ボ、ボクわぁ、キ、キミの子供を孕みますぅぅっ!!だ、だからぁ、射精させてぇぇっ!ボクを貫いてぇぇっっ!!ボクの子宮にどぷどぷっ、って受精してぇぇっっ!!!」
その言葉を叫んだ途端、黒髪の少年が下から容赦なく突き上げ始めた。それこそ、子宮をも貫けとばかりに。
「い、いひぃぃぃっっ!・・・つ、突いてぇぇっっ、貫いてぇぇっっ!!ボクのお腹、キミの精子でいっぱいにしてぇぇっっ!!!」
ようやく叶えられた望みに、声も枯れよとばかりによがり狂う。
その叶った望みとは、女を満たしてもらうことなのか、それとも孕ませてもらうことなのか・・・・・・。彼には、いや、彼女にはもうどちらでもよかった。否、どちらも望んだことだったのだ。
『アバカム』
唐突に、黒髪の少年が呪文を唱えた。同時にリングの締め付けが解除され、少年自身も彼女の膣内に欲望を爆発させる。
「あ、熱いぃぃっっ♥♥」
子宮で白濁液を受け止めた瞬間、彼女自身も絶頂に達し、ビクッビクッ、と体中とペニスを震わせながら、黒髪の少年の胸と腹に白濁液をぶちまける。
「と、止まらないよぉぉっ!?」
待ちに待った、溜まりに溜まった後だけに、いっこうに射精は収まる様子をみせない。
ようやくそれが終わった時には、黒髪の少年の体の大部分を白く染め抜いてしまっていた。
あのあと彼女は、彼の体の汚れを全て口で清めてから、5回は膣内射精をしてもらっていた。もちろん、約束通りに彼の子供を孕むためである。
今は月も天頂を過ぎ、さすがに二人とも疲れて、ベッドで眠りに落ちようとしている。
彼の腕枕で眠りに落ちようとしていた彼女は、ふと、彼に聞こえないように呟いた。
「・・・・・・ボク、とっても幸せだよ・・・。・・・・・・絶対、キミの子供を孕んであげるからね・・・。・・・・・・お休み・・・。」
ちゅっ、と軽く彼の頬にキスをする。
その途端、膣の奥からトロリ、と温かいものが溢れ出てきた。
(・・・・・・あ♥赤ちゃんの素が・・・・・・。う〜〜、もったいないなぁ。)
そう思いつつ、溢れてきた精液を片手で掬い取ると口に運び、それを丹念に舐め取る。同時に、ある考えが脳裏に浮かんできた。
(・・・そうだ!!明日の朝起きたら、早速、赤ちゃんの素をねだっちゃおう、っと♥)
我ながら名案だと嬉しくなり、どういう風に誘惑しようかな、とアレコレ考えつつ、彼女もまた眠りの底へと落ちていった。
|